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Department of English Language Studies 新宿キャンパス

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第16回:「イギリスのEU離脱」

社会の第一線で活躍する方々を講師としてお招きし、実際のビジネス現場についてお話しいただく外国語学部連続講座「グローバル・ナレッジシリーズ」。2015年度よりスタートし、外国語学部の学生は学科・学年を問わず聴講することができます。

10月18日(火)は、英米語学科長・柴田真一教授のアレンジのもと、英国からダンカン・バートレット氏(フリージャーナリスト、ロンドン在住)をお招きし、世界中がその行方を見守る「イギリスのEU(欧州連合)離脱」について英語でお話しいただきました。

  • グローバル・ナレッジシリーズ第16回_1
  • グローバル・ナレッジシリーズ第16回_2
  • グローバル・ナレッジシリーズ第16回_3

現在ダンカン氏は、英公共放送BBCなどに長年勤務後、国際的な場での日本人のスピーチをサポートするJAPAN STORYを創設し、世界のメディアに映る日本の姿を日本に伝えています。BBC勤務時には「World Business Report」の司会を務めるなど、世界情勢、国際ビジネスについて深い見識を持っています。イギリス現地の生の情報をもとに、"Brexit"(Britain+exit ブレクジット...イギリスのEU離脱)にかかわるイギリス経済の行方、日本への影響、そして国民投票そのものの意義について、ジャーナリストとしての鋭い視点から分析してくださいました。

2016年6月23日、イギリスで行われたEU残留の是非を問う国民投票では、離脱(52%)が残留(48%)を上回り、世界に衝撃を与えました。ダンカン氏は、その要因として、①EUという巨大組織に対する不信感、②移民の急増 の2つを挙げました。また、今年9月、日本政府がイギリス政府に対し、日本企業がこれまで通り経済活動が行えるよう、関税率や通関手続き、自由な投資や資金移動の維持を求めた要望書についても解説してくださいました。

さらに、新しく就任したメイ首相については、離脱派と残留派の混在する内閣を取りまとめる難しさや、愛国者の首相自身が移民を考慮しつつ慎重なメッセージを発信する重要性を指摘しつつコメントしました。
最後に同氏は、国民投票は究極の民主主義の形であると肯定した上で、改憲をふまえて日本国民はじっくり考え、政治家は社会的分裂、政治的混乱に対する準備をする必要がある、と警鐘を鳴らしていました。

グローバル・ナレッジシリーズ
「イギリスのEU離脱」の授業レポート
外国語学部英米語学科 4年 山口 雄大

"Brexit"(イギリスのEU離脱)という大きな問題について、ダンカン・バートレットさんは丁寧に説明してくださいました。私が印象に残った話は、Brexitでの日系企業への影響です。今日、多くの日系企業がイギリスに進出しています。ダンカンさんはイギリス北東の都市 サンダーランドに工場拠点を置く日産自動車株式会社を例に出して説明してくださいました。Brexitにより、今後イギリスからEU諸国への輸出には関税がかかる可能性があり(メディアの憶測では10%)、日産自動車のカルロス・ゴーン社長は、この関税はイギリスの工場に悪影響を与えるため、イギリス政府に補償を求めると言っているそうです。しかし、法人税引き下げにより企業の税負担は減り、ポンド安の影響でイギリスから輸出する製品の価格競争力が強くなれば、関税分を埋め合わせることができるとのことでした。イギリスの法人税は20%ですが、今後3年間で17%まで下がる予定であり、EU離脱の影響でポンド安が加速しています。今後どうなるか注目していこうと思います。
このほか、そもそも離脱派が勝った理由、新しく就任したメイ首相の人物像、国民投票直後のソフトバンク株式会社によるイギリス大手企業買収など、どれも興味深いお話でした。
最後にダンカンさんは、国民投票について「イギリスでの結果から、国民投票とは予測不可能で大きなリスクを伴うということです。そしてそれは日本人にも関係があります。一度も国民投票の経験がない日本ですが、もし憲法改正をしようとするならば、政府は必ず国民投票を行わなければならないのです」と仰っていました。日本人にも一人ひとりがしっかり考えなくてはいけない問題があるということを改めて強く感じました。
このようなお話をお聞きすることができ、とても勉強になりました。